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弁護士コラム
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公開日:2025.8.15
企業法務【起業家必見】創業初期(シードステージ)のスタートアップに求められる法務対応
弁護士法人PRO 弁護士の柏木太郎です。
スタートアップは、革新的なビジネスモデルや技術を武器に成長を目指す企業であり、その立上げや成長の過程で多種多様な法的課題に直面します。
法務対応は、単なるリスク回避にとどまらず、事業の成長や競争力強化の基盤となる重要な経営機能です。
本記事では、特に創業初期(シードステージ)のスタートアップに求められる法務対応はどのようなものなのか、弁護士の関与についても触れながら解説します。
スタートアップ全般に求められる法務対応の総論はこちら
1.スタートアップの成長段階
スタートアップの成長段階は、5段階に区分けされます。
①シードステージ
②アーリーステージ
③ミドルステージ
④レイタ―ステージ
⑤株式公開(IPO)
このうち、①シードステージは、会社設立前後の段階の状態です。
提供する製品やサービスのビジネスモデルが固まっており、リリース後の初期ユーザー獲得にとりかかるまでの時期にあるスタートアップを指します。
どのスタートアップでもシードステージは必ず辿りますし、初期段階で適切な法務対応をしておくことが後々に大きな利益を生みます。
2.シードステージに求められる法務
(1)資本政策
スタートアップにとって、資金調達や株式の割り当てといった資本政策は避けては通れない重要課題です。
会社設立前であれば、株式等の発行に関する計画、複数人で会社を設立する場合の株主間契約等の対応が求められます。
設立の前後共通の対応事項としては、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金調達を受ける場合の投資契約も必要です。
これらは、適切な契約条件としておかなければ、思ったとおりに会社経営ができない、成長後の株式売却等がスムーズに進められないといった実害が生じてしまいます。
よく考えずに契約を締結してしまったり、目先の資金を優先して不利な条件で出資を受けたりしてはいけません。
(2)ビジネスのリーガルリスクチェック
スタートアップは、新たに商品の販売やサービスの提供を開始することで事業を開始します。
新しいビジネスを開始するにあたっては、そのビジネスが違法でないか、ビジネスを開始・継続するために許認可が必要か、遵守事項があるか・ある場合は遵守するためにどういった対応が必要か等のリーガルチェックが不可欠です。
せっかく新規事業を立ち上げても、法令違反を犯してしまっては元も子もありません。
特に昨今はコンプライアンスの意識が高まっており、ひとたび不祥事があるとSNSで拡散されますから、ビジネスは法令を遵守しコンプライアンスが確保されていなければなりません。
(3)各種契約書や利用規約等の整備
ビジネスを円滑に進め、かつ、自社を紛争やクレームから守るためには、まずはユーザーとの契約書や利用規約等を整備することが第一歩です。
自社の商品を購入するに当たっての約束事やサービスを利用するにあたってのルールを策定しておくことで、平時はそれに従って営業すればよいので画一的かつ円滑にビジネスを継続できますし、トラブルが発生した有事においては自社を守る有力な証拠として活用できます。
また、そもそも契約書等書面の作成や交付が法令上義務付けられるケースもあります。
コンプライアンスの徹底のためにも、自社のビジネスに関係する契約書や利用規約は一通り整備しておく必要があります。
3.弁護士の関与
スタートアップの支援に精通した弁護士であれば、シードステージにあるスタートアップに求められる法務対応の全てに対応できます。
コンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)の意識が高まっている昨今、スタートアップにとって弁護士を自社に関与させることは必須といっても過言ではありません。
実際、令和7年に法務省が実施したスタートアップに対するアンケート調査によれば、過去に弁護士を利用したことがあると回答したスタートアップは90%を超えており、スタートアップにおける法務の重要性や弁護士の必要性の認識が高まっているという結果が出ています。
4.まとめ
スタートアップにおける法務対応は、単なるリスク回避にとどまらず、事業の成長・競争力強化・イノベーション推進の基盤となる経営機能です。
予防法務・戦略法務・経営法務の三本柱を意識し、ガバナンス・コンプライアンス体制の整備を進めることが、持続的な成長と企業価値向上の鍵となります。
当事務所はスタートアップの支援に積極的に取り組んでいます。
大企業への対応とは異なり、法的観点のみならず経営者のマインドを理解・共感したサポートを行い、早いレスポンスでビジネスのスピード感を損なわせずに対応しています。
弁護士の活用を検討しているスタートアップの皆様は、ぜひ当事務所へお気軽にご連絡ください。
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