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公開日:2026.2.27
企業法務下請法改正|下請法から取適法への改正ポイント【執行の強化】
弁護士法人PROの弁護士 柏木太郎です。
令和8年1月1日から、改正された下請法=製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(略称は取適法(とりてきほう))が施行されます。
改正の重要ポイントは①適用対象の拡大 ②規制内容の追加 ③執行の強化等の3つです。
本記事では、③執行の強化について解説します。
従来よりも、下請法(取適法)に違反した事業者に対する取り締まりが強化されたため、事業者にはよりコンプライアンスが求められます。
改正下請法に対応した体制を構築したい事業者の方は、お気軽に弊所までご相談ください。
①適用対象の拡大はこちら
②規制内容の追加はこちら
1.事業所管庁による指導も行われる
下請法においては、下請法に違反した事業者に対する指導や助言は公正取引委員会と中小企業庁が行っていました。
取適法へ改正されるにあたって、これらに加えて事業所管庁も 指導及び助言を行えるようになりました。
許認可等を所管する事業所管庁が執行機関として加わることで、より実効的な取締りが可能になったといえます。
公正取引委員会、中小企業庁、事業所管庁といった関係行政機関同士での相互情報提供も想定されています。
違反の申出等があり委託事業者(親事業者)に対する調査・検査が実施され、違反が事実であれば、勧告が行われ、改善報告書の提出が必要になります。
勧告に従わない場合は独占禁止法に基づく排除措置命令や課徴金納付命令といった強力な措置が取られるおそれもあります。
勧告ではなく指導や助言が行われる可能性もあり、指導や助言を受けた場合も改善報告書の提出が求められます。
勧告を受けると公表されますので、事業者にとってはその信用性を大きく害されるおそれがあります。
指導や助言であれば公表はされませんが、それでも企業にとっては無視できない影響を及ぼすでしょう。
取適法上は指導や助言で済んだとしても、事業所管庁が事業運営にあたり必要不可欠な許認可を取り消すおそれもあります。
今回の改正で取適法違反者に対する執行が強化されましたから、特に親事業者に当たる事業者は、より法令順守に気を配らなければなりません。
2.執行機関に申し出たことを理由とする不利益取扱いの禁止
下請法においては、受託事業者(下請企業)が法令違反を中小企業庁や公正取引委員会といった執行機関へ申し出たことを理由とする不利益取り扱いを禁止していました。
上記のとおり取適法へ改正されるにあたり、事業所管庁も執行機関に加えられましたので、事業所管庁への申し出を理由とする不利益取り扱いも禁止事項として追加されました。
受託事業者が法令違反事実を執行機関へ申し出やすい環境を確保することが目的です。
なお、不利益取扱いとは、取引数量の削減・取引停止などを意味します。
この点は下請法から取適法へ改正されても変更ありません。
事業所管庁が執行機関に追加され、事業所管庁への違反事実の申出を理由とする不利益取扱いも禁止事項として追加されることで、面的執行の強化が図られています。
3.まとめ
下請法はビジネスを適法に営むうえで重要な法律ですから、今回の改正は実務に与える影響が非常に大きいです。
下請けへ発注する場合は取適法を遵守するよう細心の注意が必要ですし、受託事業者=下請けとして製造委託等を受託する場合はきちんと取適法に準拠された取り扱いがなされているかチェックしなければなりません。
昨今は公正取引委員会による取締り事例も多く見受けられ、改正後は所管省庁による指導も開始されます。
今回の改正で執行面が強化されましたから、親事業者はより強度のコンプライアンスが求められますし、他方で受託事業者は取適法をよく知り活用することで価格転嫁や適正な条件での取引が実現できる可能性があります。
いずれの立場でも、自社を守るためには取適法の遵守が強く求められるといえます。
当事務所は取適法への対応支援に積極的に取り組んでいます。
発注側・受託側のいずれであっても、取適法へきちんと対応したいとお考えの事業者の皆様は、ぜひ当事務所へお気軽にご連絡ください。
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