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公開日:2026.4.1
企業法務【起業家必見】株式公開(IPO)ステージのスタートアップに求められる法務対応
弁護士法人PROの弁護士 柏木太郎です。
スタートアップは、革新的なビジネスモデルや技術を武器に成長を目指す企業であり、その立ち上げや成長の過程で多種多様な法的課題に直面します。
法務対応は、単なるリスク回避にとどまらず、事業の成長や競争力強化の基盤となる重要な経営機能です。
今回は、スタートアップに求められる法務対応の一連の解説の締めくくりとして、株式公開(IPO)ステージのスタートアップに求められる法務対応について紹介します。
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1.スタートアップの成長段階
スタートアップの成長段階は、5段階に区分けされます。
⑤株式公開(IPO)ステージでは専門的かつ高度な法務対応が求められます。
①~④までのステージでは意思決定の柔軟性やスピード感が重視されましたが、IPO段階では透明性・適正性といった上場企業としての基準をクリアできる体制整備・コンプライアンスが不可欠となります。
2.株式公開ステージに求められる法務
(1)情報開示体制の整備
IPO後は、適時開示や有価証券報告書の提出など、厳格な情報開示義務が課されることになります。
そのため、IPO準備段階から、適時かつ適切に情報開示を行えるような体制を整備しておくことが重要です。
などが求められます。
法務だけでなく税務や会計の面からの対応も求められますが、特に法務面では、開示内容の法的妥当性を確認し、虚偽記載や誤解を招く表現がないように対応しなければなりません。
(2)労務管理の徹底
IPOのためには、労務管理が適切に為されているか否かも上場審査において厳しくチェックされます。
未払残業代や不当解雇といった不適切な雇用上の問題があると、上場審査で落とされるリスクが高まります。
そのため、就業規則や賃金規程等の規程類の整備、労働時間管理の適正化、ハラスメント対策の強化などの労務管理を徹底しなければなりません。
特に、株式公開ステージにまで至っているスタートアップは急速に組織拡大している一方で、会社の拡大に労務管理体制の整備が追い付いていないケースが散見されます。
上場を果たすためにも、労務管理体制や人事制度を今一度整備しましょう。
(3)株式・資本政策の整理
上場して株式が公開されれば、市場で自社の株式が売り買いされることになり、不特定多数の者が自社の株主となることが想定されます。
これまでと異なり見知った人物だけの株主構成ではなくなりますから、発行する株式の種類やストックオプションの設計を見直す必要があります。
また、株主構成についても、反社会的勢力の排除・特定株主への過度な依存の是正といった対応も求められます。
役職員によるインサイダー取引の防止も重要です。
(4)コンプライアンス・ガバナンス体制・内部統制の整備
レイターステージに求められる法務対応の記事でもご紹介しましたが、株式公開ステージでも引き続きコンプライアンス・ガバナンス・内部統制の整備は求められます。
レイターステージで一通り整備されていたとしても、株式公開に伴い改めて確認と整備を行いましょう。
上場企業に求められるコンプライアンスのレベルはレイターステージまでのそれとは比較にならない程に高くなります。
3.弁護士の関与
スタートアップの支援に精通した弁護士であれば、株式公開ステージにあるスタートアップに求められる複雑かつ専門的な法務対応に対応できます。
コンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)の意識が高まっている昨今、スタートアップにとって弁護士を自社に関与させることは必須といっても過言ではありません。
実際、令和7年に法務省が実施したスタートアップに対するアンケート調査によれば、過去に弁護士を利用したことがあると回答したスタートアップは90%を超えており、スタートアップにおける法務の重要性や弁護士の必要性の認識が高まっているという結果が出ています。
4.まとめ
スタートアップにおける法務対応は、単なるリスク回避にとどまらず、事業の成長・競争力強化・イノベーション推進の基盤となる経営機能です。
予防法務・戦略法務・経営法務の三本柱を意識し、ガバナンス・コンプライアンス体制の整備を進めることが、持続的な成長と企業価値向上の鍵となります。
当事務所はスタートアップの支援に積極的に取り組んでいます。
法的観点のみならず経営者のマインドを理解・共感したサポートを行い、早いレスポンスでビジネスのスピード感を損なわせずに対応しています。
弁護士の活用を検討しているスタートアップの皆様は、ぜひ当事務所へお気軽にご連絡ください。
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