弁護士法人PRO | 人事 労務問題 中小企業法務 顧問弁護士 愛知 名古屋 | 伊藤 法律事務所
弁護士コラム
Column
Column
公開日:2023.2.10
人事・労務【名古屋/外国人/ビザ】外国人材を採用する際の注意点・ポイント
弁護士法人PROの弁護士の柏木太郎です。
日本の少子高齢化は深刻であり、人口減少や労働力不足にダイレクトに影響しています。
人材不足の影響から日本における外国人労働者は増加傾向にあり、現に、人材不足に悩み外国人の雇用を開始する企業は多いです。
外国人を雇用する際には、外国人特有のチェックポイントがあります。
これを意識せずに外国人を雇用すると、知らず知らずのうちに不法就労助長罪などの罪を犯してしまう可能性があります。
このコラムでは、企業(特に中小企業)が外国人を採用する前に必ず確認しなければならないポイントや注意点をご紹介します。
外国人雇用を検討している場合、ぜひ弊所へお気軽にご相談ください。
ビザの手続のみならず、雇用契約書の作成、労働環境の整備や在留資格申請が却下された場合の行政訴訟など、外国人雇用に関する問題をワンストップで解決できます。
1.国外から外国人を招聘して採用する場合
国外から外国人を呼び寄せるためには、在留資格を取得できるか(入管法の上陸要件を満たすか)確認し、日本に渡航するための査証を現地で取得しなければなりません。
非常に複雑な手続となり、場合によっては外国の送出機関(日本への渡航を支援する外国の人材派遣会社のようなもの)との交渉も必要になります。
2.既に日本にいる外国人材を採用する場合
何らかの在留資格を取得しており、日本に在留している外国人材を採用する場合です。
中小企業が外国人を採用するパターンは大部分がこちらです。
採用時のポイントは下記3点です。
①在留カードとパスポートの確認
在留カードとパスポートを確認すれば、その外国人の基本的な情報が確認できます。
特に在留カードは、在留資格や在留期限といった重要な情報が記載されています。在留する外国人には在留カードを常に携帯する義務が課されているので、必ず提示してもらうようにしましょう。
“在留カードを家に忘れてきた”などと言い訳し、在留カードの提示を拒否する外国人はこの時点で赤信号です。
そのような外国人は不法残留者であったり偽造された在留カードを所持している可能性が高く、採用するとトラブルに巻き込まれてしまいます。
②在留カードに記載されている在留資格の確認
まずは在留カードで在留資格の種類を確認しましょう。
大きく分けると、在留資格は就労OKな在留資格(ex技能・人文知識・国際業務)と就労NGな在留資格(ex留学)に分けられます。
就労NGな在留資格である場合、資格外活動許可の有無を確認しましょう。
資格外活動許可を得ている場合は、在留カード裏面にその旨が記載されています。
資格外活動許可を得ていた場合は、就労可能時間も合わせて確認する必要があります。
例えば、「留学」の在留資格の外国人の資格外活動許可には、学業を優先させるため「1週28時間まで」と就労時間が制限されているケースが多いです。
就労NGな在留資格で資格外活動許可もない外国人材を採用する場合は、入管庁で在留資格変更許可申請を行うことになります。
就労OKな在留資格だとしても、転職する(勤務する会社が変わる)場合は在留資格変更許可申請が必要です。
転職する=職務内容(在留資格に紐づく活動内容)が変わると考えられるためです。
③就労資格証明書の確認
上記のとおり、就労OKな在留資格だとしても、転職のためには在留資格変更許可申請が必要です。
在留資格変更許可申請は、ゼロから在留資格を取得するのと同等の労力がかかります。
ここで、外国人が就労資格証明書を取得していると、在留資格変更許可申請の難易度が大幅に下がります。
採用の際には、就労資格証明書を取得しているか確認し、取得しているならばこれを活用しましょう。
就労資格証明書があれば、在留資格変更許可申請をスムーズに行えます。
ここで注意点です。
就労資格証明書は、在留カードと異なり取得も携帯も義務付けられていません。そのため、就労OKの在留資格を有していても就労資格証明書を取得していない外国人も多いです。
就労資格証明書を取得していないからといって採用できないわけではありません。
また、就労資格証明書を提示しないことを理由に雇用の差別等を行うことは入管法19条の2第2項により禁止されているので要注意です(この点で在留カードとは大きな違いがあります)。
3.採用が決まったら入管庁で手続き
採用が決まったらすぐ就労させてよいわけではありません。
入管庁で在留資格の手続を行い、許可された後に就労可能となります。
採用から就労までの全体的な流れはこちらをご覧ください。
4.まとめ
今回は、企業が外国人を採用する際に注意すべきポイントをご紹介しました。
外国人を採用する場合、在留カードや資格外活動許可の有無をしっかり確認しなければなりません。
これらを怠ると、外国人はもちろん、就労させた企業側も罪を犯してしまう可能性があります。
外国人雇用を検討している方は、お気軽に弊所へご相談ください。
以上
オンライン会議・
チャット相談について
まずはお気軽に、お電話またはフォームよりお問い合わせください。