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公開日:2023.7.14
人事・労務【名古屋/外国人/ビザ】外国人を雇用した後に必要な手続き
弁護士法人PROの弁護士の柏木太郎です。
人材不足の影響から日本における外国人労働者は増加傾向にあり、働き方改革により副業が解禁されたため外国人材も副業を行うケースが増えてきました。
外国人を雇用した後は、日本人の労働者と同様に労働関係法令を遵守することに加え、様々な手続きを行わなければなりません。
今回は、外国人を雇用した後の手続きについて、ポイントや注意点をご紹介します。
雇用後の労務管理のポイントはこちらをご覧ください。
外国人雇用を検討している場合、ぜひ弊所へお気軽にご相談ください。
弁護士へ依頼することで、雇用契約書の作成、労働環境の整備や在留資格申請が却下された場合の行政訴訟など、外国人雇用に関する問題をワンストップで解決できます。
1.法律上の手続き
(1)各種保険への加入
外国人労働者も、労働保険(労災保険、雇用保険)・社会保険(健康保険、厚生年金、介護保険)へ加入する必要があります。
事業主は、健康保険や厚生年金の加入手続き、健康保険被保険者証の交付などを行うことになります。
この点は日本人労働者と共通しますが、外国人の場合は各種保険の保険料の一部が本人負担であることに強い拒絶反応を示すこと多いです。
しかし、日本で働くためには各種保険への加入が義務付けられています。
採用時にきちんと説明しておくと、後々のトラブルを防げるでしょう。
(2)ハローワークへの届出
事業主は、外国人を雇用したらハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を行う義務があります(労働施策総合推進法28条)。
この目的は、外国人の不法就労を防ぐとともに、労働力の不適正な供給が行われないようにすることにあります。
現在はインターネットでも届出が可能となりました。
(3)定期的な届出
「技能実習」「特定技能」の外国人を受け入れている場合、事業主は入管庁に対し、四半期ごとに受入外国人の数や実習状況・活動状況に係る届出を行う必要があります。
監理団体や支援機関に任せている事業主も多いかもしれませんが、自社でもしっかりと手続きの内容を把握しておく必要があります。
外国人技能実習機構による実地検査や入管の立入検査が行われた際に、“分かりません” “知りませんでした”は通用しません。
(4)帳簿類の作成・保存
日本人労働者と同じく、賃金台帳等の労基法で定められている帳簿、雇用保険に関する書類等の作成・保管が必要です。
また、「特定技能」の外国人を受け入れている場合はこれらに加え、活動状況に関する帳簿や支援実施体制に関する管理簿、「技能実習」の場合は、認定計画の履行状況に係る管理簿、技能実習生に従事させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌等、入管法や技能実習法で定められる帳簿類の作成・保管も必要です。
(5)在留資格の諸申請
在留期限が超過する前に在留資格更新許可申請、就労内容が変わるのであれば在留資格変更許可申請が必要です。
これらを怠ると不法就労となります。
一人でも不法就労の例を出してしまうと、その会社の労務管理体制には不備があるとみなされ、他の外国人労働者の申請やこれから雇用する外国人の申請に悪影響を及ぼしてしまいます。
雇用する外国人と自社を守るためにも、然るべき時に適切に申請を履行しましょう。
2.法律上の義務ではないがやっておいた方がよいこと
法令違反を防ぐためにも、自社が雇用している外国人につき外国人社員リストの作成をお薦めします。
外国人社員リストには、
といった事項を記載します。
リストを活用し、在留資格の諸申請を適時かつ適切に行い、法令違反を起こさない体制づくりが重要です。
なお、「特定技能」「技能実習」を受け入れている企業は、入管法・技能実習法により外国人の名簿の作成が義務付けられているため、リスト作成は法律上の義務です。
3.まとめ
今回は、外国人を雇用した後の手続きについて解説しました。
外国人を雇用する段階でも多数の手続きがありますが、雇用した後も適切に手続きを履行する必要があります。
手続きの適切な履行は、自社のみならず外国人労働者をも守ることに繋がり、結果として自社の継続的な発展を支えることにも繋がります。
外国人の労務管理には多数の手続きがあり、外国人労働者特有のポイントもあり非常に複雑です。
手続きに忙殺され、本業に支障をきたしては本末転倒です。
専門家のサポートを受ければ、会社が抱える課題をクリアし、本業に集中できる環境を整えられます。
外国人材の労務管理にお悩みの方は、お気軽に弊所へご相談ください。
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