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弁護士コラム
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公開日:2024.10.11
企業法務【はじめてのМ&A】シナジーの具体的な内容|コストシナジー
弁護士法人PROの柏木太郎です。
М&Aは、企業を成長させるための有効な手段であるのみならず、ここ最近では中小企業や個人事業主の間で行われることも多いです。
M&Aの最大の目的はシナジーを得ることにありますが、ひとくちに「シナジー」といってもその内容には様々なパターンがあります。
M&Aを成功させるためには、自社が目指すシナジーを具体的に想定しなければなりません。
今回は、 はじめてМ&Aを行う企業向け(主に買手向け)に、シナジーのうちコストシナジーの具体的内容をご紹介します。 ※売上シナジーについてはこちら
М&Aでお悩みであれば、弊所へお気軽にご相談ください。
1.シナジーとは
シナジーとは、2つ以上の事業体が合併や株式譲渡(M&A)により統合することで、個々で営業するよりも大きな成果や利益を生み出すことをいいます。
M&Aの最大の目的はシナジーを得ることにあります。
シナジーには、大きく分けて売上シナジーとコストシナジーがあります。
自社が進めるM&Aがどのシナジーを目指すのか、明確に意識しておく必要があります。
今回はコストシナジーの具体的内容をご紹介します(※売上シナジーについてはこちら)。
シナジーというと売上増加に目が向きがちですが、コストカットのシナジーも無視できません。
コストシナジーも視野に入れることができれば、M&Aの戦略の幅が大きく広がるでしょう。
2.コストシナジー
(1)現場の改善
いわゆる5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を指します。
作り過ぎのムダ、工程のムダを削減し、無駄をなくすことで品質・費用・納期の改善を実現します。
現場の生産コストの削減だけでなく、商品やサービスの質・提供までのスピード感の向上にも繋げられます。
5Sのメリットは、現場レベルで早期に着手できる点です。
M&Aのクロージング後(あるいはその前からでも)すぐに着手し徹底すれば、すぐにコストシナジーを実現できるでしょう。
5Sは、工場の生産ライン等の製造現場はもちろん、
バックオフィスであっても実現可能です。
最終的には、従業員が自律的に改善を実施する組織風土の醸成ができるとベストです。
(2)ボリュームティスカウント
譲渡側・譲受側で仕入れが重複している品目を共同で調達・一元化することで購入数量を増やし価格交渉力を強化することです。
ボリュームディスカウントを発揮し、仕入先に対する調達単価の引き下げの要求がとおりやすくなります。
原材料や部材費といった直接的な仕入はもちろん、物流費や施設関連費といった間接的な仕入れ(購買)に対してもボリュームディスカウントは効果が望めます。
ボリュームディスカウントの効果を最大限に引き出すためには、交渉窓口の一本化、発注権限・社内承認プロセスの明確化といった社内体制の整備が必要です。
(3)広告宣伝・販促活動の見直し
M&Aにより取得した情報を活用し、広告宣伝・販促活動のコストの売上高の比率を見直すことで、膨らみがちな広告宣伝費・販売促進活動費を適切な水準に抑えることです。
譲渡側・譲受側の広告媒体の共通化や新たな広告媒体を使用することでの、既存広告媒体の費用圧縮や利用を検討していた別の広告媒体の利用中止などにより、コスト削減を図ることになります。
もっとも、
広告宣伝や販売促進活動は企業活動に不可欠ですから、一概にカットすればよいというものでもありません。
目的と効果の観点から活動を見直し、必要な所には費用をかけ、不要な所はカットするという意識が求められます。
(4)拠点の統廃合
譲渡側・譲受側の統合に伴い同一エリア内で拠点が重複した場合に、拠点を統合したり不要な拠点を廃止したりすることで維持コストや拠点間の移動や連絡に要するコストを削減することです。
特に不要な不動産を廃止することができれば、賃料や固定資産税といった固定経費を大きく削減できます。
また、拠点の重複の解消や拠点間の移動・連絡の手間の削減により営業効率の改善にも繋がります。
3.まとめ
今回は、はじめてМ&Aを行う企業向けに、М&Aでのシナジーの概要と、その中でもコストシナジーにスポットを当ててご紹介しました。
買い手側も売り手側も、М&Aを成功させるためには入念な準備が必要です。
特に、シナジーはM&Aの最大の目的とされることが多いですから、 自社がどのようなシナジーを目指すのか明確に定めることが肝要です。
М&Aに不安を感じている場合は、お気軽に弊所へご相談ください。
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