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弁護士コラム
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公開日:2025.3.14
企業法務【売手視点】М&Aのスキームの選び方
弁護士法人PROの弁護士の柏木太郎です。
М&Aのスキームには、株式譲渡、会社分割、事業譲渡など、様々あります。
それぞれのスキームごとに手続きやメリット・デメリットも異なりますから、自社に適したスキームの選択が非常に重要です。
このコラムでは、M&Aを行うためのスキームの選び方や決定までのステップを、売り手視点から解説します。
特に中小企業では、後継者不足の影響から生存戦略としてのM&Aが増加しています。
スキームの選択や実行方法を誤ると、譲渡益を最大化できなかったり、スピード感が失われたりしてしまいます。
最悪の場合、せっかく進めたM&Aが無効になったり、訴訟を提起されたりするリスクが発生します。
M&Aを検討している場合、ぜひ弊所へお気軽にご相談ください。
1.目的の明確化
まずはМ&Aにより実現したい目的を明確化しましょう。
ケースバイケースで目的は様々想定されます。
М&Aにより何を実現させたいのか、何を獲得したいのか、自社の考えを明確にする必要があります。
優先順位の検討や売却対象の検討といった次のステップに進んだときにも、ここで定めた目的を軸として検討すれば、自社にとってベストなスキームを見つけられるでしょう。
逆に、目的を明確にしておかないと、М&Aを行うこと自体が目的になってしまい、М&Aを行ったことを後悔することになりかねません。
М&Aは手段に過ぎませんから、目的と手段が逆転しないよう注意しましょう。
2.優先順位を付ける
目的とも関連しますが、М&Aを進めるに当たって重視するものの優先順位を付けましょう。
などの要素のどれに重きを置くのか優先順位を付けておくと、考えが整理しやすいです。
優先順位によって対応が変わることもありえます。
例えば、譲渡対価の最大化を最も優先するならば、М&Aを進める前に、まずは自社の信用力・ガバナンスを強化することも考えられます。
金融機関からの借入につき代表者個人が連帯保証人となっている場合は、経営者保証ガイドラインを活用する等して保証を解除することも選択肢に挙がります。
3.売却対象(売り物)の検討
を検討します。
目的と優先順位に沿うように売却対象を選定しましょう。
例えば、目的が金銭等で、優先順位としても譲渡対価の最大化に重きを置くならば、会社全体を譲渡する方がそれだけ売り物が大きくなりますから、目的を達成しやすくなります。
4.従業員への影響の検討と低減策
従業員からすると、会社の経営層が変動したり、自身の雇用主が変わったりと、М&Aにより受ける影響は大きいです。
会社分割を選択した場合は「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」に基づき、所定の手続が必要になります。
従業員へ与える影響や混乱を最小限にしたいのであればスキームとしては株式譲渡が無難です。
どこかの段階で、従業員に対してМ&Aを行うことを公表することになりますから、スキーム選択の時点でいつ・どのように公表するのか想定しておくとよいでしょう。
5.税務
売手は譲渡対価を受け取りますから、譲渡対価には課税されます。
個人として譲渡対価を得るならば譲渡所得税が課税されます。
法人として譲渡対価を得た際にこれを株主へ配当しようとした場合であっても、個人株主が配当を受領すると他の所得と合算した所得水準に応じて実行税率が課されます。
ここまでの検討を考慮し、どのスキームでМ&Aを行うのがベストなのかを決定します。
もっとも、М&Aは買手ありきですので、買手との交渉次第では売手が想定していたスキームが執れないこともありえます。
その場合であっても、ここで紹介したステップに立ち返り、都度、その状況化で自社にベストなスキームを検討しましょう。
今回は、中小企業におけるM&Aのスキームの選び方のポイントをご紹介しました。
スキームの選択を誤ると、その後のM&Aの手続がうまく進まなかったり、最悪の場合はM&Aが途中で頓挫してしまう可能性もあります。
企業価値向上や後継者確保といったМ&Aを行う目的を実現させるためには、自社に適したスキームを見定めなければなりません。
M&Aを検討している方は、お気軽に弊所へご相談ください。
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