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公開日:2022.5.13
企業法務【2022年4月1日施行】プラスチック資源循環促進法について
弁護士法人PROの弁護士の伊藤崇です。
2022年4月1日、プラスチック資源循環促進法が施行されました。
事業者へ向けてプラスチックの取り扱いに関する指針が示され、責務も課されるため、企業活動にも影響を及ぼす可能性があります。
今回はプラスチック資源循環促進法の概要や、企業活動における留意点を解説します。
1.プラスチック資源循環促進法の概要
プラスチック資源循環促進法(正式名称「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)は、プラスチックごみを削減し、リサイクルを促進するために制定された新法です。
現在、世界中で海洋プラスチックごみや気候変動などの問題が起こっており、諸外国でも廃棄物輸入規制が強化されています。日本でもプラスチックごみを削減し、再利用する必要性が増大しているといえるでしょう。
そこで、包括的にプラスチックの資源循環体制を整えるため、プラスチック資源循環促進法が制定されました。
同法では事業者と消費者、市区町村などの行政へそれぞれ責務と役割を与え、総合的にプラスチックごみ対策を図れるよう策定されています。
プラスチック資源循環促進法の基本指針
プラスチック資源循環促進法の基本指針は、以下の3つです。
2.プラスチック資源循環促進法における企業活動の留意点
プラスチック資源循環促進法の施行にともない、企業としては以下の点に留意しましょう。
2-1.環境配慮設計に関する指針の策定
同法により、プラスチックの製造事業者等を対象に環境配慮設計に関する指針が策定されました。指針に適合した製品であることを認定する仕組みも設けられる予定です。
対象企業に該当する場合、指針の内容を確認して可能な限りそれに沿った対応をする必要があります。
2-2.ワンウェイプラスチックに対する規制強化
ワンウェイプラスチック(いわゆる使い捨てのプラスチック製品)を提供する小売やサービス事業者が取り組むべき判断基準が策定されました。
対象企業には主務大臣の指導や助言が行われ、ワンウェイプラスチックを多く提供する事業者に対しては、勧告や違反事例の公表、命令などの措置がとられる可能性もあります。
ワンウェイプラスチックを取り扱う事業者の方は、基準の内容を正しく知って遵守しましょう。
2-3.製造・販売事業者等による自主回収計画の認定制度
プラスチックの製造や販売事業者が自主回収・再資源化する計画の認定制度が作られました。
主務大臣の認定を受けると「認定事業者」となり、プラスチックの回収や再資源化について廃棄物処理法の業許可が不要となります。
2-4.排出事業者の排出抑制・再資源化計画の認定制度
プラスチックの排出事業者へ向けて、排出抑制や再資源化のため取り組むべき判断基準が策定されました。
対象企業には主務大臣の指導や助言が行われ、プラスチックを多く排出する事業者に対しては勧告や違反事例の公表、命令などの措置がとられる可能性もあります。
また排出事業者が作成した再資源化計画を認定する制度がもうけられます。
主務大臣によって計画が認定されると「認定事業者」となり、プラスチックの処理について廃棄物処理法の業許可が不要になります。
2022年4月1日からプラスチック資源循環促進法が施行されました。該当する事業者の方は、指針や規制内容を知り、適切に対応しなければなりません。違反すると行政処分を受けたり、違反業者として公表される可能性もあるので注意が必要です。
以上
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